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特定建築物における空調管理システムの現状と課題

田島 昌樹 特命上席主任研究官 (国立保健医療科学院生活研究部)

概要

 室内の空気質を衛生的に維持管理するため、建築物衛生法により維持管理方法や管理項目が設定されている。また、建築物の省エネルギー対策が進む中、多くのエネルギー消費量を占める空調システムの合理的制御が求められている。


 このため、建築物内を快適な環境に維持しながらも、省エネルギー、ビル管理の省力化を図ることを目的にBEMS(Building and Energy Management System等の頭文字)が導入されている。


 本研究では特定建築物におけるBEMSなどの空気調和設備の制御システムの現状と室内環境測定における課題を整理し、BEMSが目指す建築物における省エネルギー性能と衛生性や快適性の両立に資する情報整理を目的として、文献調査、ヒアリング、実測の手法により下記の項目について検討を行った。


 BEMSの定義やその構成および国内外の動向や既知の課題について整理を行い、また空気調和設備に使用されているセンサの精度について規基準で決められている精度や市販されている機器の仕様に示された精度および室内環境測定にかかる整理を行った。くわえて室内衛生環境にかかるセンサと室内衛生環境にかかる不適の事例を集めた。またBEMSと室内衛生環境について技術者へのヒアリングを行ったほか、事務所ビルにおいてBEMSの室内温湿度の測定値について実測による課題の把握を行った。


 実測では、校正された温湿度センサの測定値(参照値)とBEMSにより記録されている同測定点の測定値に差異が認められ、特に湿度の値は建築物衛生法の衛生管理基準値に関して検討を行うとBEMSによる記録値と参照値に冬期の条件で22ポイントの差が生じ、測定点の選定や測定機器の精度のみならず測定機器の定期的な校正などが必要であるとの結果を得た。

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