調査研究事業

HOME » 調査研究事業 » 室内浮遊粒子状物質の規制のあり方に関する調査研究

室内浮遊粒子状物質の規制のあり方に関する調査研究

鍵 直樹 委員長 (国立保健医療科学院 建築衛生部 主任研究員)

概要

 近年、特定建築物における浮遊粉じん量の不適率は2%程度であり、室内粉じん濃度は低濃度で推移している。これは、建築物衛生法制定時は居室内において喫煙が制限されることは希有であり、総じて室内の浮遊粉じんは喫煙の影響を受け高い状況であった。言い換えるとタバコ煙以外の浮遊粉じんの把握が困難な状況と言える。


 しかし、最近の分煙・禁煙化により、室内環境の浮遊粉じんは減少し、タバコ煙を除く粒子が多くを占め、法制定当時の居室内の粉じんの濃度、粒径、組成の変化は容易に推測される。
 一方、測定器については、法制定当時の感度を光散乱粉じん計を例とすると、1CPM=0.01mg/m3が主流であったが、近年では1CPM=0.001mg/m3と高感度の機器が多く測定に用いられている。しかし管理基準や測定方法あるいは評価方法については、基準制定当時と同様に質量濃度で評価が行われている。


 これらの状況は、現在の浮遊粉じん測定に与える影響として、浮遊粉じん較正係数(K値)がある。周知のとおり較正係数は、標準測定法と粉じん計(相対濃度計)とを同時併行測定し経験的に補正値を求めることから、前述したように室内浮遊粉じんの濃度、組成、粒径分布などの変化にともない、その値が変化していることが考えられる。


 さらに、近年注目されている微粒子を質量濃度で評価することは困難であるが健康影響の観点からは微粒子の測定方法や評価方法なども新たに検討していく必要があり、微粒子の粒径毎の質量濃度又は個数濃度についても基礎データを収集し、その特性を把握することが重要である。これらを背景として、室内の粒子状物質の今後の適正な規制方法・評価方法を検討するための基礎資料を得るために、平成18年度から19年度にかけて「室内浮遊粒子状物質の規制のあり方に関する調査研究」として事務所ビルを中心とした28の建築物について質量濃度と相対濃度の関係、粒径毎の個数濃度、PM2.5などの実態調査を実施した。

ページの先頭へ