2024.05.18調査研究
加熱直送方式が適用された学生寮大浴場の給湯に関する調査
研究代表者:光永威彦(明治大学)
本研究では詳細な給湯負荷と給湯用加熱装置の稼働状況を把握した上で、システムの熱総合効率を求める。また貯湯槽内の湯滞留時間をシミュレーションし、衛生性を検証することにより、事業主や設計者が給湯を検証する際に、加熱直送方式を検討するために必要な知見を得ることを目的とし、本年度の研究調査では、大学の学生寮で加熱直送方式の中央給湯方式を採用されている大浴場を対象として、大浴場での給湯負荷や利用実態、加熱直送方式のための加熱装置(ガス瞬間式給湯機)の稼働状況を実測し分析した。
まず対象となる都内にある大学学生寮の施設や運用の概要を調査した上で、大浴場の利用実態を把握するために、Webカメラを用いて利用人数、利用時間、流量を実測した。次に浴槽湯張り系統の給湯機に対して、大きな負荷となる大浴場における浴槽の熱損失量を把握するために、浴槽水温や浴槽内温度等の実測を行った上で、蒸発、表面熱伝達、浴槽の壁麺や底面、配管・機器、人体それぞれからの熱損失について試算した。最後に大浴場におけるエネルギー消費量を定量的に評価することを目的とし、大浴場の熱源装置であるガス瞬間式給湯機の湯張りシャワー系統と浴槽昇温系統それぞれのガス消費量、流量および温度について実測した。これより、冬季における大浴場における利用実態、浴槽の熱損失量、給湯機の稼働状況を概ね把握できた。今後は引き続き連続的に加熱直送方式の給湯負荷や給湯機の稼働状況を実測することで、データを蓄積し季節変動や時刻変動の分析をするともに、大浴場のエネルギー収支について考察する。加えて、貯湯槽方式との衛生性やエネルギー消費に関する検証を実施する予定である。