2024.05.18調査研究

井水を利用した専用水道を有する大学キャンパスの運用実績調査

研究代表者:西川豊宏(工学院大学)

評価対象とする大学キャンパスは、教育施設を主とする役割のほか、図書室、食堂、各種厚生施設、これらを司る事務所などが同一敷地内に多種多様な機能が複合している。本研究では、節水技術の普及とアフターコロナ社会における新しい生活様式の定着により、建物における水需要は時空間的偏在性がより顕著になると予想されることから、コロナパンデミックを含むその前後5か年を評価期間とする実態調査を行い、評価の一般化を試みた。本調査研究で得られた結果は次のとおりである。

(1)井水を利用した専用水道を有する大学キャンパスの運用実績を管理記録や収集データ、気象データなどを活用して、キャンパス全体の水収支の動向から、上下インフラへの負荷動向を明らかにした。
(2)建物を含む敷地全体(評価領域)における水循環の評価を一般化するため、ゼロウォーター評価を試行し、井水と雨水の代替水利用の水準を定量化した。
(3)管理データからキャンパス内にある主たる2つの受水槽を対象に、時間経過に伴う残留塩素の濃度減衰を一般化するための要素実験とこれに基づく予測を行った。以上より、本研究による実態調査からキャンパスにおける水需要や水循環の概況が明らかとなり、水需要の変化に対する残留塩素濃度予測の一般化を試みることができた。今後は、これらの成果を活用し、各種建築用途における貯水槽の水質実態について予測評価法を深化させ、信頼性のある運用改善へのフィードバック情報に発展させる考えである。

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