2024.05.18調査研究
建築室内における汚染物質の拡散とシミュレーションの比較
研究代表者:西村 直也(芝浦工業大学)
2019年に発生したコロナ禍(Covid-19)の問題により、建築物室内の換気状況を改善させる事に注目が集まることとなった。しかし室内の換気状況を正確に把握する事は意外と難しい。その原因として、1)室内では汚染物質が偏在する事、2対象建築室内の汚染物質濃度は外部からの影響を受けやすい事、などが挙げられる。
本助成研究では、実在する建築室内において、人体等からCO2を発生させその濃度の時間的・空間的広がりを測定する事で、対象室内の換気の状況の定量的な把握を、特に室内での分布状況(汚染物質の偏在状況)の把握を試みた。また、その測定のために多点同時計測可能なCO2測定器の開発を行った。これと併せて、CFDシミュレーションにより、外部からの影響の中で最も変動の原因となる「すきま風」を忠実に再現し、特に近隣を通過する電車等の移動物体よりの風圧の響の再現を試みた。
多点同時計測可能なCO2測定器は、小型の汎用PCであるRaspbett Pieに、CO2センサーユニットを組み合わせる事により構成されている。Raspbett Pieは比較的安価であり、ローコストでネットワーク対応型C02計測器を用意する事が出来る。これを必要な台数分設置する事で同時多点型C02測定器として用いた。但し、本測定器は汎用部品の組み合わせとえるため、そのセンサー特性の事前把握も必要となる。そのため十分な較正を行った。
また、すきま風は微細な領域で発生する事象なので、特に工夫無しにCFDにて再現しようとすると膨大な計算資源が必要となる。そのため多重格子を用いることで、汎用PCでの計算を可能とした。
これらをもって、本助成研究の目的を達成したと考える。