2023.03.24調査研究
コバエ類の通過可能な隙間に関する研究
研究代表者:木村悟朗(イカリ消毒株式会社技術研究所)
コバエを物理的に防ぐためには隙間の大きさである目開きが重要であるが、これまで目開きと侵入との関係については十分議論されていない。本調査研究はコバエ類の通過可能な隙間を明らかにするために、試験用篩(JIS規格)の目開きに注目して、代表的なコバエ類であるノミバエ類とショウジョウバエ類を用いて評価を行った。
篩は目開き1000(1㎜),850,710,600,500,425,355,300,250および212μmを使用した。これらを重ねて皿部に誘引物を配置した。コバエ20個体を1000μmの篩に放虫し、直ちに蓋をして恒温恒湿室(25℃,50%RH)に静置した。放虫24時間後、各篩に移動した供試虫の個体数を計数した。
種ごとに通過可能な目開きは異なった。ノミバエは500μmを通過した。目開き1000μmの篩上(=通過できなかった目開き)の平均個体数は850μmと有意な差はなかったが、710μm~212μmとは有意に異なった。また、710μm上の平均個体数は600μm以下と有意に異なった。一方、ショウジョウバエは850μmを通過した。1000μm上の平均個体数は、850μm~212μmとは有意に異なった。また850μm上の平均個体数は710μm以下と、710μmは600μm以下とそれぞれ有意に異なった。いずれの種においても各篩上の個体数は目開きが狭くなるほど優位に減少した。
本研究の結果から、物理的に侵入を防ぐためには425μm以下の目開きの防虫メッシュが必要であることが明らかとなった。目開き425μmは40メッシュ相当であり、40メッシュならばノミバエは侵入を阻止できると考えられる。同一個体群においても侵入能力に差がみられたことから、体長などとの関係についても今後検討したい。