2023.04.25調査研究

建築物室内における微小粒子状物質の実態と環境測定手法の検討

研究代表者:鍵直樹(東京工業大学)

建築物衛生法においては,建築物衛生管理基準として,粒径10 µm以下の浮遊粉じんについて基準値を設けている。現在の特定建築物における浮遊粉じん濃度は,室内における禁煙・分煙,大気汚染の低減化,空調機エアフィルタの性能向上などにより,基準値に比べても十分に低く,不適率についても問題がない状況である。一方大気においては,粒径2.5 µm以下の粒子を対象とした微小粒子状物質(PM2.5)について,粒径の小さな粒子の方が人への健康影響について深刻なことから環境基準を設けている。また,WHOにおいても,PM2.5濃度の強化が行われたところであるが,室内における基準及びその他各学会の規準などはないのが現状である。

そこで本研究では,建築物室内PM2.5濃度の基準策定を念頭に,室内環境で適用できる測定機器の検討を行い,実際に特定建築物において室内PM2.5の現状の把握を行った。測定機器については,測定精度とともに,粉じん計と同様に換算係数の設定が重要であること,2.5 µmカットを行わない測定機器の扱い,校正の方法などが課題となると考えられる。また,今回対象とした事務所建築物においては,中央式空調機を有することからも低濃度ではあり,それぞれの測定器は同様の濃度傾向を示した。

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