2022.04.28調査研究
局所式給湯設備における衛生管理の実態調査
研究指導員:小瀬博之(東洋大学総合情報学部 教授)
建築物環境衛生維持管理要領では、レジオネラ属菌等病原微生物による汚染防止のため、中央式給湯設備では湯槽内の湯温を60℃以上にする等の維持管理が規定されている。一方、局所貯湯式給湯設備においては、構造上清掃できない製品もあり、さらに貯湯槽内の温度を含め管理に関する規定がない等の課題がある。事前調査で局所式給湯設備のレジオネラ汚染の実態調査を実施したところ、培養法で4.7%、PCR法で48.8%がレジオネラ属菌陽性判定となった。そこで、培養法でレジオネラ属菌が検出された局所貯湯式給湯設備が設置される事務所ビルのすべての局所貯湯式給湯設備75機を対象に実態調査と汚染対策を検討した。
汚染対策として、設定温度を50℃から75℃まで昇温することで年単位での給湯栓での培養法不検出を確認したが、継続してPCR法ではレジオネラ属菌陽性であった。局所貯湯式給湯設備内の汚染源調査を行い汚染源が逃し管であることを特定した。
省エネのため、50℃設定に加え夜間の昇温停止設定等の管理状況が、レジオネラ属菌定着の要因の一つと考えられる。局所貯湯式給湯設備においてもレジオネラ汚染が発生する危険性がり、構造および材質が高濃度塩素等の薬剤消毒に対応してないため一度汚染されてしまった場合、完全なる除去は非常に困難であることが明らかになった。局所貯湯式給湯設備においても高温で保つこと、取扱説明書の保守を遵守することで、使用者の安心安全につながると考える。