2022.05.14調査研究

木造建築外壁の夏結露対策に関する研究

研究代表者:西川豊宏(工学院大学)

気候の蒸暑化やコロナ禍による外出自粛要請は住宅での冷房時間の期間増加に繋がっており、近年では木造住宅の外壁内における夏結露が問題視されている。施工不良によるものもあるが、住宅の高断熱高気密化と冬結露の防止対策を旨とする断熱材と防水シートを組み合わせた外壁の断面構成に起因するものもある。本研究では、夏期における木質繊維断熱材を使用した壁体構成の内部結露評価を目的として、木造戸建て住宅の外壁を再現した供試体を用いて要素実験を行い、木質繊維断熱材の詳細な湿気性状及び熱的性能を明らかにする。実験では施工事例に基づいた様々な木造外壁の断面構成を想定し、実気象下における非定常データを収集した。実験データの分析から得られた知見は以下のとおりである。

(1)木質繊維断熱材の吸湿性能評価 木質繊維断熱材がグラスウールと比較して壁体内の相対湿度及び絶対湿度が低く推移していたことから、木質繊維断熱材が室内に流入する湿気を吸湿し、内部結露発生の防止に寄与していることが推察された。また、断熱材の相対湿度及び絶対湿度の変動幅がグラスウールよりも小さくなっていたことも、木質繊維断熱材の吸湿性能と大きく関係していると考えられる。

(2)木質繊維断熱材の断熱性能の評価 木質繊維断熱材がグラスウールと比較して室内側の表面温度が低く、計算値の熱貫流率と実験値の熱貫流率の差が小さく示していたことから、吸湿作用による断熱性能の低下はグラスウールよりも少ないことが推察された。また、室内外の温度差が大きくなるにつれて断熱材が湿気を吸湿し、断熱性能が低下することは推察されるが、その低下度は木質繊維断熱材の方が低いことが推察された。

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