2022.05.14調査研究
新型コロナ対策を考慮した室内湿度基準に関する調査
主任研究者:林基哉(北海道大学大学院工学研究院)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に与える、室内環境の影響に関する国内外の文献、厚生労働省「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」等、国土交通省「ポストCOVID-19における空調・換気・通風計画のあり方検討委員会」等、日本建築衛生管理教育センター「新型コロナウイルス対策検討委員会」による調査研究による知見、国内学会(日本公衆衛生学会、日本建築学会、空気調和・衛生工学会、臨床環境医学会等)、海外の調査研究(世界保健機関WHO、米国疾病予防センターCDC、欧州空調・換気設備学協会REHVA等)の見解を収集し整理した。さらに、換気と湿度の関係性を踏まえた分析を行い、COVID-19をはじめ従来のインフルエンザ等の感染症対策のための室内湿度基準の考え方について検討し、建築物衛生法の空気環境基準に基づく換気空調設備の設計や維持管理における新興・再興感染症への対応のために必要となる研究課題を抽出した。
湿度が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に与える影響については不明な点が多く、以下の研究課題が抽出された。
①湿度がウイルスを含むエアロゾルの人体からの放出性状(エアロゾル粒径・成分等)に与える影響
②湿度が空気中でのエアロゾルの伝搬性状(沈降、粒径変化、分裂等)に与える影響
③湿度がエアロゾルの水分蒸発に伴う感染力の持続性に与える影響
これらの研究課題は、インフルエンザウイルスについても十分に解明されていないため、湿度が他のウイルスによるエアロゾル感染に与える影響を解明する基礎にもなると考えられる。これらの研究課題に関する知見が得られ、室内湿度基準の検討が行われることが期待される。