2020.04.26調査研究

逐次検定法を用いた空気中浮遊粉じんの迅速判定法

研究代表者:西村直也(芝浦工業大学)

建築物衛生法においては、「空気中の浮遊粉じん量(SPM)は0.15mg/m3以下」との基準があり、現在でもこの基準に基づいた空気環境測定が実施されている。その一方、近年建築物室内における浮遊粒子状物質の総量は十分に減少しており、空気中の浮遊粉じん量がこの基準を満たしていることを証明するための計測時間・計測方法の簡便化は必要な課題かと思われる。これらの前提を踏まえ、本研究では逐次検定法を用いることによって、短時間の計測で上述の基準を満たしている事を示す方法の提案を目的とした。

本調査研究においては、まず建築物内部での浮遊粉じん濃度の経時的な特性の把握を行った。事務所ビルを対象に20122019年度に延べ51回計測を行った実測データを用いた。1階の計測を360分とし、1分間ごとのデータを1セットとし、同法に基づくCPMを単位として経時的な形で累積して用いた。このデータをポアソン分布、ワイブル分布、正規分布へフィッティングを行った。その結果、いずれの分布に対しても良好な一致を見た。このデータを逐次検定法に使用する事を考慮し、ポアソン分布を採用した。創刊計数等の詳細な結果については別添の調査報告書に記載する。

この結果を受け、逐次検定法による評価基準を策定した。逐次検定法による空気質評価は、クリーンルーム清浄度基準であるISO-14644にも採用されており、迅速判定法として適切なモデルと考えたためである。具体的には2つの仮設「粉じん濃度は0.15mg/m3以上である」、「粉じん濃度は0.135mg/m3以下である」に対して、両者をポアソン分布に当てはめ、評価・検定基準線の策定を行った。またこの評価・基準線が適切な結果をもたらすのかの判断のため、モンテカルロ法にてシミュレーションを行い、その有意性を示した。その結果、通常の粉じん濃度空間では95%の確率で1分程度で結論が得られる事を示した。

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