2020.05.07調査研究

レジオネラ属菌検査における特定酵素基質培地の有用性

研究代表者:石崎直人(麻布大学)

Legionella pneumophila検出用試薬として、特定酵素基質培地であるレジオラートが販売されている。この方法は水道水の大腸菌検査と同様、非常に簡便で、しかも最確数法によりL.pneumophilaの定量試験ができる。この方法について、従来法と比較することで本誌薬が有用であるかを検討した。

給水54試料、給湯水6試料、井戸水3試料、湧水77試料の合計140試料を用いた。L.pneumophilaの検出は、フィルターによる培養法(第4版レジオネラ症防止指針)とレジオラートを使用し、添付仕様書に準拠して100mL法により行った。

結果は、培養法ではすべての試料において陰性であった。一方、レジオラートでは38試料(27.1%)で陽性を示したが、これらについて確認したところ、1試料を除く37試料(26.4%)の陽性は、L.pneumophilaによるものではなく、いわゆる誤陽性であった。試料別では、給水・給湯水の上水系試料では全く誤陽性はなく、すべて井戸水・湧水の地下水系試料であった。そこで、これらの陽性試料について10mL法により再度試験したところ、誤陽性は16試料(11.4%)に低下した。これら誤陽性を示した微生物は、腸内細菌ではSerratia marcescens、Morganella morganii、Providencia alcalifaciensなどが優占していた。また真菌ではAspergillus fumigatusが多かった。給湯水で陽性となった1試料からはL.pneumophila 血清群12が検出された。このようにレジオラートは上水系の夾雑微生物が少ない試料では100mL法が有効であるが、地下水系のような夾雑微生物が多い試料では誤陽性が出るため、10mL法が推奨された。

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