2015.04.30調査研究
個別空調設備の維持管理の実態に関する研究
研究代表者:清水晋(一般社団法人日本空調システムクリーニング協会 理事・技術委員長)
建築物衛生の改正後、具体的な作業標準例として維持管理要領や維持管理マニュアルが通知されたが、多数の天井埋設型個別空調機の全数点検等は、現実的な問題として困難である。一方で、個別空調設備を使用している室内環境の二酸化炭素濃度不適合率の増加、フィルターやエレメントの真菌汚染に対する維持管理の問題等が挙げられており、本研究で個別空調設備の維持管理の実態について調査を行い、問題点と対応策案を取りまとめた。
聞き取り調査結果から、個別空調設備の維持管理が十分に実施されていない実態が明らかになった。清掃管理ではフィルター清掃を定期的に実施している建物は64%と十分に行われているとはいえない状況であった。加湿器、全熱交換器のメンテナンスは半数以上が何もしておらず、機械的なメンテナンスについては何らかの問題が発生しなければそのまま使い続けるという実態が浮き彫りになった。また全数を一斉に調査している建物は29%しかなく、多くは必要な部分だけを実施している実態が明らかになった。汚染実態としては、室に寄ってバラツキが多く汚染の傾向は分からなかった。
今後の課題とまとめとして
1.個別空調設備の維持管理に関する法令等(実施要領等)の認知度の増加
2.フィルター清掃など比較的実施しやすい維持管理だけでなく、コイルやドレンパン等も含めた全体の清掃管理の実施率の増加
3.機械的なメンテナンスの定期的な実質の増加
4.問題がある場合のみ維持管理するのではなく、全数を維持管理する必要性の周知方法の検討